接着剤をベースにしてABS樹脂ができないか?の実験です。
透明なプラスチック用接着剤にアクリルパウダーを混ぜるとどうなるか?
プラスチックの工作や、成形部品の修理にABSのパテ状の物があると便利だと思います。以前にABSの粉を溶剤で溶かす方法が使えることを確認していますが、接着剤で同様のものができればもっと手軽で簡単です。
ダイソーで買ってきたプラスチック用の接着剤。
成分を見てみると基材はスチレンブタジエンゴムです。
ABSはA=アクリルとB=ブタジエンとS=スチレンの混合物(比率は知りません。)で、成形品の材料として広く使われています。ということは、この接着剤にアクリルを混ぜればABSになるのではないか?
この接着剤はスチレンブタジエンゴム(SBR)なので、もしかするとABSのようなエラストマーのような物が出来るかもしれません。それはそれで面白いかも。
ということで、接着剤に混ぜられそうなアクリルを集めてきました。
第一候補、100円のアクリルパウダー。プラリペアの代替として使える粉です。
100均アクリルデコホイップ。アクリル絵の具と同じようなエマルジョンです。
これらをシリコンマットの上に置いてみます。
アクリルパウダー + スチレンブタジエンゴム
アクリルデコホイップ + スチレンブタジエンゴム
混ぜ物無しのスチレンブタジエンゴム
よく混ぜてみます。
アクリルパウダー混合。これは使えるかも。
デコホイップ混合。空気が混ざってか、軽石のようなつぶつぶができました。
接着剤を薄く延ばして溶剤を揮発させます。
3日後にどうなったか?
アクリルパウダー混合:
ABS樹脂のようには硬くなりませんでした。爪で押すと跡が付きます。不二家のミルキーぐらいの感じ。シリコンシーリングよりは少し硬いです。
アクリルデコホイップ混合:
ボソボソで簡単にちぎれます。ちょっと使い道は思いつきません。
接着剤のみ:
ゴムの様に良く伸びます。 ただ、コレを使うよりシリコンのほうが良さそうな感じ。
3日経って、固まった樹脂。
接着剤にアクリルパウダーを混ぜたものが使えそうな雰囲気だったので、上の混合実験と同時に実際の工作を想定したものを作りました。 ABSの板とパイプをアセトンで溶かして接着し、片方の根元を補強してみました。
3日後も爪で押すと跡が付きます。補強としての効果は無さそうです。残念!
まとめ
ABS成形品の様に硬くしなる感じを期待していたのですが、ヤスリで削れるような硬さにはなりませんでした。エラストマーのように使えるかと言えば、それもイマイチ。シリコンを固めたほうが良さそうです。ということで、今回は収穫無しでした。
(2013-10-15 /abs_test)
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