ダイソーの300円スピーカーをパッシブラジエーター(=ドロンコーン)に改造しました。これをエンクロージャーに付けると低音が増幅されるらしいです。(参考:サンワサプライ)
右が作ったパッシブラジエーター。マグネットを外しただけですけど。
パッシブラジエーター作り
タガネを差し込んで、玄能で叩いて、マグネットを外しました。
マグネットは本体側に圧入の上、接着されていました。
コイルが引っ掛からないように、ミニルーターで周りを削り落とし、
t6のMDFを円くカットし、コイルの内側に接着。ここに錘をネジ止めして調整します。
エンクロージャー作成
エンクロージャーはダイソーのMDFで作ります。表面には木目シートを貼って仕上げます。
300×400×6のサイズ1枚でエンクロージャー1個が一番無駄なく作れると思います。
できるだけ高さが稼げるようにレイアウトしました。
穴はホールソーをボール盤に取り付けて開けます。端面をヤスリで整えて、パーツが完成。
木工用ボンドを塗って、三角材を貼って、スコヤで直角を確認しながら押さえつけます。
段差は壁紙用のワイドパテ+木工用ボンドで埋めて下地が完成。
表面にダイソーのリメイクシート(塩ビシート)を貼って仕上げます。
前面には黒のシートを貼るつもりだったのですが、穴の角R部分が上手く伸びず、何度やっても失敗。諦めてマスキングしてから缶スプレーで塗装することにしました。
塗装完了。表面があまり綺麗でないので、粗いシボ(ノズル半押し)塗装にしました。
吸音のためフェルトを貼って、スピーカーはセメダインスーパーXで接着しました。
とりあえず完成
外観は割りと綺麗に出来ました。ただ、このサイズの箱なら8cm程度のスピーカーを付けたくなりますね。ダイソーの300円スピーカーには、もう少し小さい箱が似合います。
音はどう?
ダイソーの製品(樹脂製の箱)と比べると、量感と解像感が増した感じです。低音域もしっかり増強されています!パッシブラジエーターはバスレフよりも締りのある低音が出ているように感じます。でも、バスレフの方が重い音が出るような気もします。
パッシブラジエーターのコーンを触ってみると振動が伝わってきます。耳を近づけると低音も出ています。中々不思議です。錘として、M4のナットをネジ止めしてみましたが、重すぎるのか、音圧感が出なくなってしまいました。結論としては錘無しの方が良いです。もしかすると、ダンパーは切り離して、コーンが動きやすくしたほうが良いのかもしれません。
細長く作り直し
作ってはみたもの、何か中途半端な気がします。どうせなら小さいスピーカーだからできる形を目指そうかと。どう頑張っても大きい口径のスピーカーには勝てませんからね。
パッシブラジエーターを主張しつつ、薄いブックエンド型が良さそう。(CG)
4cm(2inchとも表記)のダイソーのUSBミニスピーカーを活かすなら、もっと幅が薄いエンクロージャーにしたほうが良かったです。大きなスピーカーが置けない隙間用のスピーカーとして、しかも小さいのに低音が出るっていうのが理想です。
ってことで、作り直し。ノコで縦にコの字にカットし、左右側面の板を接着しました。この後ワイドパテをサンディングしてから、木目シートを貼り直します。
スピーカーターミナルは幅を詰めるため、ノコで切ってヤスリで丸めました。
内側のフェルトを貼り直し。
ブックエンド型完成
横幅62mm 高さ205mm 奥行き127mm
本棚や、隙間に置いて使えます。横に倒してディスプレイの下に置いても良さそう。
まとめ
パッシブラジエーター方式のスピーカーは初めての経験ですが、中々面白いです。ダイソーのUSBミニスピーカーはたった300円なので、気軽に試せるのがイイですね。
まあ、大口径のスピーカーに勝てないのは最初から分かってますが、この4cmのスピーカーは同クラスとしては中々の音質です。テレビやラジオに丁度良く、音声がはっきり聞こえます。パッシブラジエーターはバスレフよりも良い音か?と問われると正直よく分かりません。でも、同じ形のコーンが2つ並んだデザインのスピーカーは中々ステキだと思います。
(満足度:85)
材料
- 300円スピーカー *2 (648円 @ダイソー)
- MDF(300×400×6mm) *2 (216円 @ダイソー)
- 三角棒(910mm) (108円 @ダイソー)
- 角棒2本組(910mm) (108円 @ダイソー)
- リメイクシート(200×15cm) (108円 @ダイソー)
- スピーカーターミナル (180円 @amazon)
- ワイドパテ、木工用ボンド、フェルト他
パッシブラジエーター(ドロンコーン)には重りは無いのが普通です。1970年代は主にドロンコーンと言っていましたが、基本的にはフレームにコーンだけがエッジダンパーで取り付けられただけの構造でした。エンクロージャーの内圧でコーンを振動させる仕組みなのでむしろ錘はマイナス面に働くと思います。
ドロンコーンを使ったスピーカーキットは、FOSTEXが10cmフルレンジとドロンコーンを使った自作キットを販売していた記憶があります。
近年のポータブルBluetoothスピーカーで採用されているパッシブラジエーターに至ってはモールド加工でエッジを作っているゴムシートを貼っているだけというのが多いですね。