電波時計の液晶表示が所々薄くなってきました。多分、フレキと基板の接続部分が剥がれてきているんだと思います。これを直すことが今回の課題です。
上の方の表示が薄くなったり、消えてしまってます。フレキの接続部分を熱溶着して直すためのミニアイロンみたいなのを作ることにしました。
アルミパイプを叩いて削って作ったコテ先。これを半田ごてのコテ先に被せます。
熱溶着するための適温は140~150℃位でしょうか。その辺りの温度を目指します。
どうやって温度調節するかですが、gootのPC-11というのを買いました。
半田ごてを温度調節するための電圧コントローラーです。
買ってから分かったのですが、電圧コントロールできるのは75V~100Vということで、調節範囲が狭く、イマイチ使えません。調光やモーターの回転数調節にも使いたいと思って買ったのですが、調光LED電球で試したところ、全く調光できませんでした。
gootパワーコントローラーPC-11 半田ごて専用。ハンダの溶解温度を微調整する感じです。
goot電球用コントローラーPC-31という別の製品の存在も知っていたんですが、両方とも20W~200Wって書いてあったので「中味は同じで、違うチャネル向けに色と型番号を変えているのだろう」と勝手に思っていました。でも実際は両者の動作は違うようです。
こちらは0V~100Vの範囲で調節できます。メーカーでは電球の調光以外の使用を禁止していますが、PC-31の方が汎用性があっていいと思います。(自己責任ね)
PC-11の方が500円位安かったので、こっちを買った訳ですが、ホント失敗。あーあ。
PC-11で実験
パワーコントローラーPC-11のダイヤルを回して、各位置でコテ先の温度を測ってみます。
30Wのコテを使い、ダイヤルMAXだと201℃
ダイヤルMINだと158℃ 19W 思ったほど下がらないです。
半波整流スイッチの追加
あらためてPC-31を買わなかったことを後悔したんですが、半波整流で温度を下げるスイッチ(ラジオペンチさん作)を真似て、作ってみることにしました。
100均スイッチにダイオードを追加し、半波整流して使います。
半波整流すると、30Wが15Wに、201℃が145℃に下がりました。
ダイヤルをMINにして一番低い電圧にすると、100℃近くまで下がるようになりました。
電圧コントローラーと半波整流、消費電力、コテ先温度の関係
半波整流 ON | 半波整流 OFF | ||||||||||||
位置 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
W | 10 | 11 | 12 | 14 | 15 | 15 | 19 | 21 | 24 | 26 | 27 | 30 | |
℃ | 103 | 112 | 121 | 129 | 137 | 145 | 158 | 167 | 175 | 185 | 192 | 201 |
半波整流を追加すると、103℃~201℃まで調節できるようになりました。
本題の液晶修理
直すのは7-8年前に買った、シチズンの電波時計[8RZ020]
ネット上の情報によると、導電接着タイプのフレキ接続部が剥がれて来るとこうなるらしい。ここに熱を加えて押し付ければ直るとのこと。
ネジ4本を外せば分解できます。
結構雑な作りです。LCDと基板との接続は機械的なコネクタではなく、フレキの導電材が接着されているタイプ。このタイプは液晶が点かなくなる例が多いようです。
作ったコテ先をセットして145℃ぐらい(半波整流ONでダイヤルをMAX)にして押し付けてみようかと思います。
右の辺りを爪で押すと液晶が表示されたので、この辺りに熱を加えて押し付けてみます。
修理成功!
バッチリです。全てのセグメントが黒く表示されるようになりました。
いつまでこの状態が維持されるのか分かりませんが、また消えてきたら再度くっつけようと思います。
調整範囲が狭いPC-11ですが・・・
VR2に半固定抵抗を追加すれば電圧調整できそうな雰囲気ではあります。(’16.9.21追記)
コメント
こんなのも修理できるんですか
液晶自体が悪くなったと思って捨ててしまいますよね
先日、電動工具用にスピードマスターと言うのを購入しました
これでもはんだごての温度制御できるか試してみます
こんにちは~
へぇぇ?こんな理由で液晶表示が薄くなったり、表示されない部分が出たりするとは
知りませんでした。剥がれて来るという事は…、一種の粘着剤みたいな概念で
接続させているという事なんでしょうかね?(随分と不確実な接続方法ですね)
メーカーがユーザーに速く買い替えを決心させる戦略としては良いのかも
知れませんが、これメーカーの信用度も確実に落としますね。
少し前にここのサイトでも、キッチンスケールの液晶表示が変だ?という修理記事が
出ていましたが、あの機械にはフレキシ接続は使われていなかったと思いますので
今回のケースとはまた原因が違うのかも知れません。(あれも不思議でした)
電子機器の修理も、案外と奥が深い世界なのだな…、と改めて思いました。
(一般ユーザーでも修理できる可能性の有る部分が存在するだけで驚きです)
素晴らしい!!!
「コテ」を作ってしまうところが凄いです。
同じような接着方法のものが調子悪くなったらマネさせていただきます。
私が以前分解した電波時計は異方導電性ゴムを押し付ける方式だったので改善策をあれこれ試して見ましたが治せず部品取り用にしました。
オジジさんこんばんは。
コストを抑えるためにこういう貼付けタイプが採用されているんだと思います。
5年も使ったら剥がれてくるんじゃないでしょうかね。
>先日、電動工具用にスピードマスターと言うのを購入しました
スピードコントロール用のコントローラーなら電流も余裕があるし、色々な機器に使えそうですね。半田ごてみたいな単純なものなら楽勝で使えるでしょ。
電子工作好きさんこんばんは。
>一種の粘着剤みたいな概念で接続させているという事なんでしょうかね?
導電性のインクのようなものでパターンを印刷して、ケーブルを作り、
接続部分を露出させて、そのまま圧着しているような雰囲気です。
コスト最優先で、耐久性を考慮した製品には使えないと思います。
キッチンスケールの時はバッテリーLOと表示されて電源が切れる不具合だったので
今回のように「接触不良で液晶が表示されない」のとは違います。
多分ICか何かが壊れたんでしょうね。こういうのは私もお手上げです。
断線とか、ハンダ不良、接触不良系は直せる可能性が高いと思います。
mytoshiさんこんばんは。
ありがとうございます。
コテを作るって言っても、潰して削るだけですから、10分かそこらで出来ました。
あのゴムで液晶を押さえつけているやつは、私も直らなかった経験があります。
何かコツがあるんでしょかね。
毎回楽しい記事を拝見させて頂いております
通りすがりの猫です。
PC-31は抵抗負荷専用らしく、微風にしたくて
30W程度のミニ扇風機を繋いで暫くすると異臭が…
開けたら、回路がスパークしてました。(汗)
で、色々試した結果、
トヨスター ルーコン 換気扇用 TMC‐201W が
両用で最強でしたが製造中止に…。(涙)
http://www.amazon.co.jp/dp/B0027WWTQW/
ちなみにラベルの下に穴が開いてて、
半固定回すと下限が調整できます。
という訳で代替品を探してたら、HOZANのH-17が互換の様です。
スペックも概観も同じですし。
http://www.amazon.co.jp/dp/B000TGNW0K/
http://www.hozan.co.jp/catalog/Soldering_Tools/H17.htm
以上、ご参考まで。
行灯猫さんこんにちは。
>ちなみにラベルの下に穴が開いてて、半固定回すと下限が調整できます。
これはTMC‐201Wの話ですよね?PC-11も半固定抵抗で調節できるかも?と、
ちょっと期待しておりました。
おすすめはHOZANのH-17ということですか。
もしも買い直すとしたらコレにします。
いい情報ありがとうございました。
>導電性のインクのようなものでパターンを印刷して、ケーブルを作り、
>接続部分を露出させて、そのまま圧着しているような雰囲気です。
そういうの、『以前に、どこかで見たな?』と思っていたら有りました。
https://www.youtube.com/watch?v=zRbQvEefhXc
要するに、↑ こういう事をやっているという事ですよね?
正にコスト優先&耐久性度外視という感じです。
(でも反面として工作応用的には面白い技術だ、…とも思います)
こういうイノベーションを経て、工業製品は進歩して行くのでしょうね。
関連動画も有りました。
https://www.youtube.com/watch?v=wT6XIkfEkOU
https://www.youtube.com/watch?v=-_h_-GvVX7A
これ、購入できる製品みたいですよ?OINK!さんなら何に使いますか?
電子工作好きさんこんにちは。
以前に導電性接着剤を色々やった時にこの導電ペンの存在を知りました。
紙にしか書けないので、電子工作とか、修理に使う感じではないですね。
ちゃんと信頼性をもって使うには銀ペーストがいいと思います。
https://jibundeyarou.com/lckb_syuuri01/
銀ペンは誰かに贈るカードなんかを作るのにはいいですね。
折り紙にチップLED組み込んで、光らせたりするのも良さそうです。
拝見させていただき、同じ症状になっている自分の液晶電波時計の修理をしてみました。CASIO製ですが構造は似ていました。コテの自作とか温度制御とか、そこまではしないでなんとかならんかなー、と台所にあったナイフを火で温め大体100度くらいかな っといい加減ですが。フレキの端子部をナイフの背でギューっと押さえて接触を復活!したかな。
出来ました、復活!
捨てようかと思っていたらこの記事を見つけ、あー良かった。自己満足ですが。
感謝します。
陳国際さんこんばんは^^
直ってなによりです。
お役に立てて嬉しく思います。
説明不足且つ大変遅くなり申し訳ございません。
半固定あるのはLUCONの方です。
デジカメ故障中につき写真UPできませんが、
分解された方を見つけたので貼っておきます。
■LUCON調光器 something about 2015
http://narc.way-nifty.com/boyaki2005/2009/05/lucon-d71b.html
当時はこっちの方が安かったんですねぇ…。
行灯猫さんこんにちは。
コメントありがとうございます。
PC-31に1MΩの半固定抵抗が付いている写真をネット上で見つけたので
とりあえずPC-11にボリュームを付けて実験してみようと考えています。