先日買ったニコチンタールゼロの使い捨て電子タバコですが、先端が点滅し始めたので、寿命が来たようです。 ・・・ってことで分解してみたいと思います。
使い捨て電子タバコ
吸うと先端がゆっくり赤く光り、蒸気が発生します。約500回吸うと先端のLEDが点滅して、寿命を知らせるとのこと。500円ほどの商品ですが、よく出来たおもちゃです。
吸うと先端が赤く光ります。この光り方が凄くリアル。(*゚Д゚*)昔吸ってた頃の記憶。
どういう仕組みなのかが非常に気になります。
分解
前後のキャップを精密ドライバーでほじって外してみました。嵌め込んであるだけです。
左:先端側の透明スモーク 右:吸口側
先端側。チップLEDが付いています。
吸口側。綿が見えます。ここに香料が染み込ませてあるようです。
ピンセットで引っ張り出してみました。
まだ結構湿っているし、バニラの香りも十分します。
ラベルを剥がして、コンビーフの缶のようにラジオペンチで千切りながら巻いて行きます。
捨てる前に筒の外径を記録しておこうと、ノギスを当てると9mmほど。
バッテリー
筒をある程度切ると、バッテリーが見えてきました。
電池は08570というもの。一般的には入手が難しい感じです。調べてみると、Alibabaでロット1000で1本50円程度。Aliexpressでは取扱い終了な感じ。
テスターで電圧を測ってみると、3.24Vでした。
ヒーター
吸口の方にニクロム線のヒーターが付いていました。これで蒸気を発生させるんですね。
耐熱チューブの中に収まっています。(写真は取り出した状態)
LED
先端にはチップLEDが付いています。この裏に回路基板が入っていそうな感じ。
黒線が切れてしまったので、線をハンダ付けして延長しました。
裏側。吸うと閉じるスイッチになっているみたい。
チューブを口に咥え、吸ってみると、LEDが点灯しました。
仕組み
中身は思っていたよりもシンプルなものでした。簡単に言うと
吸うと先端の接点が引っ張られて、スイッチが入る
↓↓↓
先端のLEDとニクロム線に電流が流れる
↓↓↓
蒸気が発生し、同時にLEDが光る
電池、ニクロム線、LED+回路基板+スイッチの構成です。
強く吸うと明るく光るのは、スイッチの接触抵抗が減るということでしょうか。
電池は阿里巴巴で見つけた同等品を見ると、電圧3.7V / 容量280mAh / サイクル寿命500回 /充電電流0.2C / 充電時間2~5時間とありました。この電子タバコでは使い捨てとして使われていますが、充電すれば繰り返し使えるようです。
感想・まとめ
先端にスイッチが付いていたのは意外でした。この小さなモジュールでON/OFFし、寿命も感知するというのは凄いです。500回で点滅というのは電圧が下がると動作するということなのでしょうか。このモジュールの「吸うとONのスイッチ」や、「電圧低下を知らせる点滅LED」は別の自作アイテムに使えそうです。
蒸気が発生するしくみはニクロム線で熱するだけでしたが、こんな単純なもので結構な量の蒸気が出ているのは驚きです。
バッテリーは[08570]というサイズのリチウムポリマー電池です。調べてみると、0.2Cで充電すれば、500回のサイクルで使えるみたい。使い捨て電子タバコでは500回吸うと寿命とのことですが、充電と溶液を追加すれば25,000回吸えるという解釈もできますね。この電池は小型のLEDライトを作ったり、別の使いみちもありそうです。
使い捨て電子タバコの仕組みは思ったより単純でした。この中身を利用して、キセル型を作ったり、バッテリーを18350などに変更して自作するのも面白そうです。
コメント
ん~
点滅LEDに綿に染み込ませたバニラの香りかぁ、そしてニクロム線
アナログな事とデジタルみたいな事が一緒になってますね
電池を見て、どこかで見たなあって考えていたら
そうなんです、夜釣りのとき使う電気浮きの、電池と似てました。
>夜釣りのとき使う電気浮きの、電池と似てました。
なるほど、ウキに使えそうですね。
MicroUSBから充電するライトの充電基板と組み合わせて、
しっかり防水対策すれば電気ウキもできそうです。
こんばんはー。
凄く興味深く拝見させていただきました。
チョットした物でも分解して仕組みを調べるのが OINK! さん流ですね
(普通は使えなくなったらポイ…ですもの)確かに仕組みは興味有ります
それに寸法や、電気的な仕様まで確認とは…
『後で役に立とうが立つまいが、それより仕組みが知りたいんじゃ!』
みたいな所が工作道上達への道なのでしょうね。だって、こういう事の
積み重ねが無いと、中々工作の勘所ってつかめない物だと思いますので
ありがとうございます。
>『後で役に立とうが立つまいが、それより仕組みが知りたいんじゃ!』
そんな感じです。とにかく、吸うとリアルに光って蒸気が出る仕組みが
知りたかったのです。
この細い管の中にどうなってるんだろう?って思いますよね。
しかもたった500円ですから、凄いですね。
ああそうか、これは…
空気が流れる等して『減圧が起こると ON になる仕組み』に使えますね
スイッチを逆に付けると…『増圧が起こった時に ON になる』にも
使えれば、更に応用範囲が広がりそうです(要するに気圧スイッチですね)
もし大電流の ON-OFF に使いたい場合には、リレーを付ければ可能ですし
アイデア次第で色々使えそうですね。
チップLEDの裏側にICが付いているのかなと想像しているのですが、
ここを壊してしまうと使えなくなりそうなので我慢です。
もう1本買ってこようかな。電池だけでも500円の価値がありそうです。
こんにちは
私、アマチュア劇団で電飾系の道具をつくったりしている者です。
舞台上で喫煙の演出をしたいものの、舞台で裸火は完全NGですので「あの光る電子タバコ」を用いようと思いたち、
分解方法を調べるうち、こちらのページにたどり着きました。まさに分解されていて、本当にありがとうございます。(あのリアリティのある光り方をこんなにシンプルに実現していて驚きました。予想が大きく外れ良い悔しさです。)
この記事を読んで、同じモデルの電子タバコを入手し、
これから、市販の噛煙草BOXに入るサイズに加工していこうかと思っているのですが、
事前に注意点等ございましたらご教授いただきたいのです。
長さをカットして配線つなげてポン!でいけそうな印象でしょうか?
すみません、TYPOです。
噛煙草ではなく、紙巻き煙草です。
>電飾系の道具をつくったり
楽しそうなお仕事ですね。
さて、タバコサイズの変更ですが、長さを縮められる所はバッテリーの部分かと思います。
私がやるとしたら、バッテリーをLR41を4個ぐらい直列に変更するとか、コードを伸ばして袖口から入れて服の中にバッテリーを仕込むとか、ですかね。
中身を上手く取り出せて、電源を交換すれば、短くできそうな気がします。
すごく早い返信ありがとうございます。
なるほど!電源部分の小型化が鍵になりそうですね。
舞台で数度使うだけなら容量の問題も発生しないので、
そのボタン電池装換から試してみようと思います!
Amazonで買った3本の電子タバコセットのうちが一本、つかえなくなったので、電子タバコ分解 で探したらたどり着きました。分解しましたが、同様で、基本構造は電池のサイズが違うだけでした。まだ樹分電池が使えるなら、細いドリルで中綿の真ん中あたりに穴を開け、そこから薄めたハッカ油をスポイトで染み込ませたら、3倍は使えるかもしれません(笑、電池を使い切らないともったいないですよね~、あと記事もTwitterで紹介しました。
そうですか、構造は同じでしたか。
使い捨てと言っても電池は充電すれば何度でも使えるはずです。(500サイクル)
綿の方にはVEPE用のリキッドを染み込めせれば使えますね。
まあそんな手間をかけるならもう1本買うか、VEPEを買うかってことになるのでしょうけど・・・