輸入2X4住宅の網戸に使われている樹脂パーツが朽ちてきたので、3Dプリンターで同じものが作れないかとの相談を受けました。
網戸のフレームを繋ぐコーナー部品です。ひとつの網戸の枠でコレを4個使います。
現物
おそらく20年以上紫外線に当たって、ポロポロと崩れる状態になったのだと思います。
比較的きれいなこちら側は紫外線に曝される度合いが少なかった室内側だと思われます。
材質はPPか塩ビのような柔らかめのプラスチックです。
作るまでもなく、製品が買えるのではないかと思って検索してみると、同じ形の朽ちた部材がたくさんヒットしました。同じような症状で交換部品を求めている方は多いような印象です。
この部品はアメリカのホームセンターで探せば在るのかもしれませんが、日本で同じものを買うのは難しそうです。20年前の部品と同じものとなると、尚更見つけるのは困難です。
モデリング
3Dプリンターで複製品を作ることにしました。まずは現物を測ってモデリングします。
この程度の形ならモデリングに2時間ぐらいかな。モデルに隙間や面の重なり等のエラーが無いことを確認し、STLでエクスポートします。
3Dプリント
ABSでプリントすることにしました。私がプリントする時にいつも考えることは、強度と積層表面の綺麗さと効率です。オブジェクトの置き方によって、出力結果に差が出ます。
縦に並べるとサポート材が不要なのがメリットですが、垂直に立った部分が水平方向に積層されるので、その方向に折れやすいのではないかと思います。
強度的にも効率的にも普通に置いた方が良さそうです。サポート材が内側にぎっしり付きますが、網戸の枠を組み立ててしまえば見えないので、取り除かなくても問題無いかと思います。
ということで、プリント完了。2時間半掛かりました。
両端が少し反り気味ですが、組んでしまえば見えないし、OKです。
品質的にはまあまあかな。
もっと綺麗にしたいなら、ポリパテと塗装で仕上げてね。ということで納品しました。
3Dデータがあるので、次に追加で作るのは簡単です。(もしもSTLデータが欲しいという方が居れば差し上げます。)
コメント
3Dプリンタで作れるのは良いですね。
古い海外製品の部品が簡単には入手出来ない場合はこれが最善でしょうか。
3Dプリンタ用のABSでは耐候性が心配ですが、劣化したら再び作れば良いですね。
もう売っていない部品を作るには3Dプリンターは便利ですね。
海外のものだけでなく、日本のメーカーでもう在庫がない部品も結構あります。
>劣化したら再び作れば良いですね。
はい。データさえあれば簡単です。在庫しなくて良いですし。
エンプラのフィラメントを使えば耐候性は良くなるかもしれませんね。