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放射温度計レビュー

赤外線放射温度計を入手したのでレビューします。

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COLEMETERの放射温度計 WT700 計測範囲[-50℃~700℃]

放射温度計とは?

赤外線放射温度計は物体から放射される赤外線の強度から温度を測定する機械です。物体に触れることなく瞬時に温度が測れるので非常に便利です。多くのメーカーから発売されていますが、ピストル型でトリガーを引いて、背面に液晶表示されるタイプが多いようです。

COLEMETERの放射温度計は[-50℃~420℃]まで測れるタイプと[-50℃~700℃]まで測れる2つのタイプがありますが、今回入手したのは700℃まで測れる方。価格と重量が少し上がる以外、計測範囲が増えることのデメリット(誤差が増える等)はありません。

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先日レビューしたレーザー距離計もCOLEMETERブランドでした。高価な製品の割に精度感があまり感じられなかったんですが、この放射温度計はしっかり作られている感じ。外装パーツの出来や組付けはきれいです。

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電源は006P。付属の電池をセットすればすぐに使えます。

 

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たくさんあるボタンは放射率を変更したり、測定した最大値や最小値を表示したりするのに使います。でも、これを使うことはほとんどなく、基本的にはトリガーを引くだけです。よく使うのは右上のグレーのボタンで、バックライトとレーザーポインターをON/OFFできます。

放射温度計の良し悪し

放射温度計は距離係数D:SのDが大きいほど高性能と言えます。COLEMETERの放射温度計の距離係数は12:1ですが、国内メーカーの1万円台前半の製品のほとんどがこのレベルです。

また、温度を測る上で物体の放射率というのが関係してきます。放射率は物質によって異なりますが、多くは0.95という数値で収まるようです。製品によっては0.95に固定されている物もありますが、この製品は数値を変更できます。物質に合った放射率に設定することで、より誤差の少ない計測が可能となります。

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色んなものを測ってみよう

身の周りで気になるモノの温度を測ってみようと思います。トリガーを引くだけで瞬時に温度が測れるのは超便利。ということで、まずはガスコンロから。

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レーザーを炎に当てた時よりもバーナーのてっぺんに当てた方が温度が高く表示されました。これはレーザーの位置よりも2cmほど下にセンサーが付いているからだと思います。(写真には炎が見えませんが、実際には火が点いています。)

放射温度計の精度は?

他の温度計とどれ位差が出るのかをテストしてみました。テスターのプルーブをカプトンテープでフライパンに貼り付け、とろ火で加熱し、温度が安定したところで測ってみました。

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写真の赤い点はレーザーが当たっている所ですが、センサーはその下のプルーブを向いています。恐らくフライパンの中心から外に向かって温度が低くなっているのだと思いますが、放射温度計の方向が少し動くと数値も変わるので正確に測るのが難しいです。この実験では最小100℃、最大200℃ぐらいで落ち着かない感じです。

温度差が小さいと数値は落ち着いています。

27℃に設定したエアコンを測ってみました。

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エアコンの吹き出し口は24.8℃。横に移動しても24℃台で小刻みに動く感じです。

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外装のプラスチックを測ると27.4℃と、2-3℃高いことが分かりました。

遠く離れた所の温度も測れます。

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約7m先の壁は30.3℃。この距離だと赤点を中心に直径60cm位の範囲を測っているんだと思います。(距離係数12:1なので)

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愛犬の温度は31.3℃。毛の表面温度なので、舌とかケツの穴を測ると多分もう少し高い温度が表示されると思います。

外に持ち出してみた

真夏の太陽で熱せられた物体はかなり熱くなっていると思います。

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真夏の午後1時頃。家の前のコンクリートが38.5℃。

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鋳鉄のフタはさらに高温で、50.4℃。

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日向の花は29.1℃。

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日陰のアジサイは日向より5℃ぐらい低いです。

まとめ

まず第一に、トリガーを引くだけなので測るのが簡単です。

計測器は測ったデータが何に使えるかってところが重要なポイントだと思いますが、放射温度計は一瞬で測れること、非接触、という点で色々な使い道が考えられそうです。私の場合だと、真夏の犬の散歩前に地面の温度が下がったか?とか、犬の体温を(毛の無い所で)測ったり、エンジンの温度を測ったり、といったことに使えそうです。

この手の赤外線放射温度計は色んなメーカーから発売されていますが、このCOLEMETERの放射温度計の特長としてはコストパフォーマンスの良さが挙げられると思います。国内測定器メーカーの1万円台前半の製品と同レベルの性能で、価格が1/4って感じです。放射率が補正できるのもポイントです。

この製品の評価としては、製造的要素(組立・仕上げの綺麗さ)は満足できるレベルです。使い勝手も悪くありません。224gの製品を持って、トリガーを引くだけです。液晶はバックライトONにすると、見やすく、とてもきれいです。気になる点はトリガーを離すと数値がHOLDされるのですが、その時に鳴る「ピピ」という音が耳障りなこと。音量を小さくしたり、消音できれば、もっと魅力的な製品になるのではないかと思いました。

コメント

  1. mytoshi より:

    赤外線放射温度計は便利ですよね!
    oink!さんが入手した機種は放射率(ε)を変更した場合に固定できますか?
    私が二年半ほど前に購入した機種(DT8580)は電源を切ると放射率は初期値0.95に戻ってしまいます。

    DT8580購入当初はアルミヒートシンクの温度を測るためにMAS838のCA熱電対を黒いテープで貼りつけ、アルミ面と黒いテープの温度を測定してMAS838の読み取り値と近くなる放射率を探したりしましたが、εを毎回設定し直すのが面倒で今は0.95のままで黒い物主体の測定をしています。最近電池交換をしたので付属電池で二年以上持ちました。

    ダブルレーザービーム式なので測定部分は二つの光点が交わる部分(或いは直線で結んだ中央点)であり、且つ、D:S=16:1ですから比較的狭い範囲を直視して狙うことが出来て、LEDライトの発熱具合を測定する時に重宝しています。

    詳しくレビューしてくれているブログを先日見つけました。今はAmazonのセール品になっていて私が購入した時より一割安くなっています。
    http://memento.blog.bbiq.jp/blog/2015/09/ss5580-thermometer-laser-non-contact.html

  2. oink! より:

    mytoshiさんこんばんは。
    放射率の変更は三角ボタンを押して0.01ずつ動かします。
    この製品の場合は電源を切っても記憶されて残っています。
    でも、放射率を確認して補正するというのは面倒臭いので
    とりあえず0.95で、って感じになってしまいますね。

    レーザーが上下にあると分かりやすいですね。
    1個だとレーザーポインターとして遊べるメリットがあると思います。
    レーザーの2cm下がセンサーと思っておけば問題なしです。

  3. 電子工作好き より:

    こんばんは~。

    放射温度計は非接触で温度が測れる所が便利ですよね。
    私がこの手の製品を知った時は、石焼ビビンバの店でこれを使っているのを
    テレビ番組で紹介しているのを見た時でした。石焼の器を加熱する温度が
    規定されていて、この器具を使うと手軽に一定の温度管理が可能だという事でした。
    この時に紹介されていたのは石焼ビビンバ店でしたが、石焼の器を使う料理は
    ラーメンとかステーキとか他にも色々有りますので、応用は効きそうです。
    つまり、料理系の温度管理に便利そう…という事だと思います。
    レーザー測距機よりも、こちらの機械の方が生活に密着して使える気がしますね。
    工作系だと金属の溶解温度の管理等にも使えそうではないですか?

  4. oink! より:

    電子工作好きさんこんにちは。
    石焼の器のように、硬くて、平らで、高温なものを測るのに放射温度計が向いていると
    思います。他の温度計のようにセンサー部分を密着しなくていいですし。
    料理系といえば、酵母の発酵温度を測るのにも良さそうです。
    食品の場合、触らずに測れるのは衛生面でもメリットが大きいですね。

    >工作系だと金属の溶解温度の管理等にも使えそうではないですか?
    鉛等の温度を測るのに使えますね。プルーブを溶けた金属に漬けなくて済むのはいいと
    思います。何より特別な準備が要らず、一瞬で測れるので便利です。

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