判子と言っても色々あります。一番簡単なのは彫刻刀で木やゴムを彫れば作れますが、細かい図柄の場合は技術と集中力が必要です。
一方、図柄を印面に感光させるという方法でやれば、思い通りに作ることができます。
コンシューマ向けのハンコマシンがあるんです。その名は”たいこバン”
キングジムのスタンプメーカー”たいこバン” 現在は製造中止です。
左:版を作る機械=リボン式ワープロに感光ランプが合体したようなモノ
右:版を現像する機械=水を溜め、紫外線で硬化していない部分をブラシで洗い流す
マニュアル通りにやれば、誰でも簡単にこんな感じのハンコが作れます。
でも、私は買ってから1回もマニュアル通りには作っていません。
なぜなら、20年前のワープロのようにドットが荒く、ガタガタなんです。
「謹賀新年」とか「速達」なんかダイソーで買ったほうが手っ取り早いですよね。
この機械の仕組みはインクリボンで背ラベルを印刷し、それによってできたネガ状態のリボンを版として印面を感光させるというものです。
アイデアとしてはとても面白い商品だと思います。でも、ガタガタな版とオリジナリティがイマイチ出せない点で、そのままでは使えないですね。
そこで、私はオリジナルの版を別に作って、この機械の感光と現像の機能だけ使っています。
完全オリジナルのスタンプが簡単に作れます。
パソコンで版下を作り、プリンタで版を作ります。グラフィックソフトで絵を描いたり、文字を打ってもいいし、手書きの絵をスキャナで読み込んでもいいでしょう。
▲▲▲版下はこんな感じ。▲▲▲
これをプリンタで出力する訳ですが、ネガフィルムとなるようにOHPフィルムに印刷します。
上の例では反転したネガを用意していますが、これは2枚重ねにして遮光性を高めるためです。レーザープリンタで印刷して印刷面をズレのないように重ね、瞬間接着剤で付ければネガフィルムの完成です。インクジェット(特に染料系)の場合はもしかすると色が薄くてダメかもしれません。ダメな場合は出力ショップでネガ出力すればOKです。
版ができたら、インクリボンのカートリッジを取り外し、露光前の新品のハンコと作った版を本体にセットして露光します。この時注意しなければならないのは、ちょっと機械を騙してやる必要があることです。
版(背ラベル)を印刷しないと露光スイッチがONにならない構造になっているので何か適当に文字を入力した後、背ラベルを挿入し製版ボタンを押せば露光できるようになります。
露光は一定時間で自動的にOFFになるので、あとはハンコを現像器にセットして待つだけです。
たいこバン本体はもう販売していませんがハンコは供給されています。
興味のある方はヤフオクなどで本体を入手してみてはいかがでしょうか。
2009.5.20追記
たいこバンよりイイのが売ってますね。ブラザーのSC-370pcという機械です。パソコンで版下を作ってデータを出力すれば、自動的に浸透印が作成できるというモノ。小細工しなくてもオリジナルのハンコが作れるので今から買うならこっちですな。
(2009-05-19 SS)
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