先日Qiレシーバーをガラケーに組み込んで作ったガラチーですが、充電ランプは点くものの、全く充電されない状態でした。この度この不具合の原因が分かり、使えるようになりました。
結局の所、Qiレシーバーが不良だったのですが、不良の原因は単純なミスでした。
ガラチーとは
QiレシーバーにFOMAコネクタをハンダ付けし、ガラケーを無接点充電するというモノです。作ってはみたものの、電流が100mAしか流れず、充電が全く進まないという不良品です。
Qiレシーバーのフレキケーブルを切って、コードとFOMAコネクタをハンダ付けしました。
Softbank 816SHに貼り付けた後、3Dプリンターで作ったカバーで覆いました。
実験
スマホ、ガラケー、100均LED電球型ライトを使って電流を測ってみます。まずは100mAしか流れない不良Qiレシーバーにコードをはんだ付けし、電流が測れるようにしました。
使えないQiレシーバーにコードを仮ハンダ付け。
正常に使えるレシーバーにはMicroUSBコネクタで電流を取り出せるようにしました。
有線での電流
まずはコードで繋げて、それぞれの機器が動作する時の電流を測ってみました。電源のUSB5VはPCのUSB3.0ポート(Max900mA)から取りました。
結果:LED電球型ライト=0.52A、スマホ=0.68A、ガラケー=0.39A
Qiの手前の電流
Qiの送信機に入る所で電流を測ってみます。
スマホは0.7Aほど流れます。
しかし、ガラチー用に作ったレシーバーに変えると、やはり0.1Aしか流れません。
やっぱり、このQiレシーバーに問題があることが確定です。
Qiの後ろで電流
今度は無接点で繋がった後ろ側の電流を測ってみます。
スマホは0.40Aほど。
ガラケーも0.37A流れています。ガラケーだから充電できないのかと思っていましたが、
正常なQiレシーバーを使えばガラケーも充電できることが分かりました。
LED電球型ライトは0.52A流れています。
不良レシーバーは0.1A。いや0.01Aです。
不良の原因は配線ミス
ガラケー用Qiレシーバーを別の新品に交換する前に、電流の取り出し位置を変えて試してみることにしました。100mAしか流れなかったQiレシーバーは基板上のハンダが盛られている所にコードをハンダ付けしていたのですが、コレが良くなかったみたい。
一応テスターで5Vが出ているのを確認してココにハンダ付けしたのですが・・・
切断したフレキケーブル(2芯)の根元に変更。
フレキのフィルムをカッターで削って、そこにハンダ付けしました。
再度確認
ハンダ位置を変えたQiレシーバーで試してみると、バッチリ。電流が流れています!
ガラケーで0.35A
スマホは0.38A
LED電球型ライトで0.49A
これで大丈夫!
フレキケーブルの根元にハンダ付けした所をセメダインスーパーXで絶縁保護し、仮ハンダ付けしたコードを外し、ガラケー用Qiレシーバーが完成。
まとめ
これでやっとガラチーが使えるようになりました。しかし単純な間違えで電流が流れなかったとは・・・。回路の途中にコードをハンダ付けしていたということですね。やれやれ。
Qiレシーバーを置く位置や角度によって電流が大きく変化するので、あまり当てになりませんが、ガラケーの手前で0.4A程度流れていれば充電されるようです。Qiの送信側で0.3A、つまり無接点の接続に1.5Wほど電力が使われるようです。
有線 | Qi手前 | Qi後ろ | |
LED電球型ライト | 0.52A | 0.88A | 0.51A |
スマホ | 0.68A | 0.72A | 0.39A |
ガラチー | 0.39A | 0.66A | 0.36A |
まあとにかく直って良かったです。ソフトバンクの3G携帯が使えなくなる11月末までの7ヶ月間、最後は無接点充電のガラケーを楽しみたいと思っています。
コメント
そうすると、NGだった端子とOKだった端子との間に回路があると言うことですね
写真では、さっぱりわかりませんがぐるっとバイパスみたいなやつがあるわけですか
う~ん電気は奥が深い・・・それ程でもないか
どちらにしても、原因がわかればOKですね・・・よかったよかった
よく見つけましたね、さすがです。
いやあ、つまらない間違えでした。完全に思い込みで失敗しました。
位置的にフレキの出力と同じに見えちゃったんですね。
こんなこととは知らず、皆様にもアドバイスいただいて、失礼しました。
不具合解消できて良かったですね。無線充電は確かに便利です。
原因の写真を見ていると、
黒い線を反対側のICに近い空きランドへ繋げば大丈夫だったような気もします。私の受信機はIC側の二個のランドに裏から配線が付いているような感じで半田がしっかり盛られていました。
[まとめ]の測定値を見ると効率60%以下ですからQi送信はやはり変換効率悪いですね。
原因として考えられるのは送信受信コイル間の結合係数が低い事と受信電力を5Vに変換するコンバーターの効率、送信と受信の周波数ズレ?
コンバーターの効率は90%以上だと思われますから、個人で改善可能な部分は、コイル間の隙間を小さくすることと、現状の単芯銅線の受信コイル材質を送信コイルと同じく高周波特性が良いリッツ線多数巻きにしたQ値が高いコイルを使い、インダクタ値を調整して周波数を合わせて受信性能を向上させることくらいでしょうか。
もう一つのランドはテスターで反応が無かったような気がします。
この3つのランドに何の意味があるのかよく分かりませんがフレキだと配線がよく見えないので、安易に考えない方が良いことが今回よく分かりました。
60%が効率悪いとのことですが、実際使う上では充電に時間が掛かってイラつくという事もないし、特に不満は感じていません。
ただ、変な角度で置くと結構な熱を帯びるので、この点が気になるところです。
ふと思ったのですが、レシーバーを2枚重ねにしたら電流も2倍取れるとか・・
そんなことは無いですね。
ただソフトバンク自体を10月でご卒業予定ですよね?
次はMicroUSBとかで作成ですか?
はい。いずれ3Gは終わりになるので、MVNOで4Gに移る予定です。
MicroUSBでQi化するなら、レシーバーがそのまま使えるので簡単です。
> レシーバーを2枚重ねにしたら電流も2倍取れるとか・・
理屈では可能です。試してみたいですね。レシーバー追加注文しようかな…
DCDCコンバーターを二台並列にすることに似た状態となるので、各機器の出力が微妙に異なることでによる逆流防止機能が入っているかどうかがネックでしょうか。
念のために各機器の出力へFETによる逆接続防止機構を入れると良さそうです。
下記の記事が参考になります。
http://airvariable.asablo.jp/blog/2012/03/26/6388000
http://radiopench.blog96.fc2.com/blog-entry-668.html
http://radiopench.blog96.fc2.com/blog-entry-573.html
出来るんですかぁ。
MOSFETのことはさっぱり??ですが、
バッテリーを並列につなげると起こる不具合と似ているのかなと思いました。
165円のレシーバーをもう一枚発注しました。届くまで20日位掛かりそうです。
oink!さんの発想による二枚積み重ねによる取り出し可能電力と
私が検討中のコイル交換による電力の比較実験をしてみたいと思います。
送信器の出力は同じですから取り出せる最大電力には限界があると思います。
効率が良い方式でガラケーP-07A(時々ワンセグ視聴)の無線充電台を構築予定です。
二枚重ね式にする場合は余った送信機から外すNch-MOSFETをマイナス側に入れて逆流防止に利用します。
FOMAアダプターの長さ方向を半分くらいにカットして余った送信機のmicroUSBソケットを埋め込みます。直接充電で本体FOMAコネクタ破損の心配をせずに済みますし、無線受信機を他機器で試したい時に便利かも。
そうですか。
2枚重ねの実験、よろしくお願いします<(_ _)>