土鍋の蓋の高台部分が欠けてしまいました。裏向けに重ねられた鍋蓋を戸棚から取り出そうとした時に鍋の内側にカチンと当たって、角が砕けてしまったんですよね。
欠けたぐらいなら直せます。欠けた所を樹脂で埋めて、ヤスリで削って成形したところ。
継ぎ
食器の欠け直しは「金継ぎ」という伝統的な手法がありますが、土鍋の場合は熱が加わるので良くないと思います。私は熱硬化性樹脂であるエポキシ系接着剤で埋めてしまいます。
大きい欠けを埋めていたら他の欠けも発見したので、ついでに全部埋めときました。
使った接着剤は10年以上前に製造された未開封のエポキシ系接着剤(ホーロー補修用)です。
白い色が特徴です。硬化剤が硬くなっていたけど、ちゃんと固まりました。
A(主剤)、B(硬化剤)を楊枝で混ぜ合わせ、そのまま欠けた所に盛り付けます。
削り
2時間ほど置いて接着剤が固まったら、今度はヤスリやペーパーで土鍋に合わせて削ります。
高台のC面がキレイに回るように削ります。
だいたいこんな感じでOK。欠ける前の元の形に戻りました。
着色
このままでは白い色が浮いているので、釉薬のような深緑の色を塗ろうと思います。そこで着色に使うのはアクリル絵の具です。リキテックスや100均のがゴチャ混ぜです。
緑や黒、黄土色などを混ぜて、市松模様の釉薬に近い色を作ります。
絵の具だけでは透明感が出ないので、これとエポキシを混ぜ合わせようかと考えました。
ダイソーのエポキシです。絵の具だけ塗るよりも混ぜた方が強度的にも有利かと思います。
透明なので、釉薬の雰囲気が出せるはず。少しずつ絵の具を混ぜて・・・
いい感じです。
楊枝で薄く伸ばして白い部分の上に置いていきます。
ちょっと彩度が高めですが、まあいいでしょう。
完成です。この土鍋はかれこれ25年以上使っていますが、少なくとも300回ぐらいは鍋を作ったと思います。まだまだ使えますよ。(満足度:90)
コメント
私も経験しました
きゅうすの蓋が真っ二つに割れてしまいました
そこでエポキシボンドでくっつけようと思いましたが
まてよ、熱湯が入るのはいいけども口に入るものだし
どうしたものかと悩みました
そこでコニシのお客様センターへ電話をして聞いてみました
回答はやはり口に入るので万が一のことを想定して
使わないでくださいって事でした
まあ、そうでしょうね安全第一ですものね
硬化剤に毒性があるでしょうから、メーカーは使えますとは言えないでしょうね。
自分だったら内側にはみ出さないように断面にエポキシを塗って、内側はデンプンと砥の粉を混ぜたようなもので埋めるかな。
もっとも、ウチにはそこまで大事な急須はありませんので、廃棄すると思います。
日本の技術で昔からかけつぎというのがあって、それで直すとまた味のある仕上がりになるそうです。それ用の修理キットもあります。
完璧です。
アクリル絵の具の件で(あー、これにエポキシ混ぜたら結構いけそうなツヤだよなー)と思いながら読み進んだところビンゴでしたから私の満足度は100でした笑
ありがとうございます。
エポキシの透明感がイイ感じになりますね。
今見ると、角の稜線部分をもっと薄く塗って白っぽくすれば良かったです。