東京電力は6月1日から電気料金の値上げを申請したと発表しました。
2023年1月23日、当社は、経済産業大臣へ規制料金について、2023年6月1日※から平均29.31%の値上げを申請させていただきました。
※ 現行単価:正しくは 第1段階:19.88 第2段階:26.48 第3段階:30.57 ※
値上げの概要
簡単に言うと・・・
- 燃料代が高騰している上、規制料金では損失が増える一方なので値上げしたい。
- 燃料代の他に市場からの調達コストも増えている。
- 三段料金の方へ燃料費調整額分を混ぜて値上げする。よって調整代に余裕ができる。
- 政府の補助があるうちに値上げを薄めつつ(私見)、全体で約3割値上げしたい。
■政府の補助(低圧で7円)は電力会社の懐に入るわけではない。
■従量電灯Bを大幅値上げ。自由料金のスタンダードSも同額となるように値上げする。
■従量電灯Bの現行単価に燃調分が含まれている。5.13円を除くと15円程度の値上げとなる。
■自由料金の方も5%程度の値上げとなる。(市場調達コストが上がっているから?)
従量電灯Bの場合
- 電気料金の構成(基本料金+電力量料金+燃料費調整額+再エネ賦課金)は変更なし。
- 基本料金(10A~60A)は変更なし。
- 三段料金は各段値上げ。 25.01→34.84円 / 31.61→41.44円 / 35.70→45.53円
■現行料金:正しくは ~120:19円88銭 120-300:26円48銭 300~:30円57銭
燃料費調整額
- 燃料費調整額も値上げ。計算方法は変わらず、数値が変更される。
- 基準価格は44,200円/kl → 94,200円/kl と2倍以上に跳ね上がる。
- 上限制度はそのまま残り、94,200円の1.5倍に当たる141,300円となる。
上限単価の計算式
6月までは5.13円:(66,300-44,200)✕0.232÷1,000=5.13
6月からは8.62円:(141,300-94,200)✕0.183÷1,000=8.62
託送料金分の値上げ
4月からレベニューキャップ制度の導入に伴う託送料金の見直し分を別途追加値上げされる。
東京で+0.20円/kwh (の見込み)
早見表
基本料と電力量料金
200-600kwh使用時の電力量料金(40A)
燃料費調整額の目安
■2023年度の再エネ賦課金は5月に決まる予定。(4円/kwh前後だと思います。)
■300kwh/40Aで計算[基本料金+電力量料金+燃料費調整額+再エネ賦課金]
現在(燃調+5.13、再エネ3.45):10,870円 8,770円(@-7円引き後)
8,296+1,539+1,035=10,870 10,870-2,100=8,770
値上げ後(燃調+1、再エネ4、と仮定):14,344円 12,244円(@-7円引き後)
12,844+300+1,200=14,344 14,344-2,100=12,244
(’23.2.5. 計算間違え修正)
まとめ
ざっくり言うと、従量電灯Bは、燃料費調整額(+15円相当)を3段料金に混ぜて、約1.5倍に値上げする。(その分の燃料費調整額は減るが、上限がリセットされる。)
- ’23年6月からの値上げは、料金の計算方法は変わらず、基となる数値が変更される。
- 電気代の構成要素:基本料金+電力量料金+燃料費調整額+再エネ賦課金は変わらず。
- 三段料金が各段共15円程度の値上げとなる。(従量Bの場合・燃調含まず)
- 燃料費調整額の基準価格が44,200円/kl → 94,200円/kl と2倍以上に上げられる。
- 燃料費調整額は今より下がるが、その分(5.13円)が従量料金に加算される。
- 燃料費調整額の上限は+8.62円。上限に達することは当分無いと思う。(私見)
- 4月からレベニューキャップ制度が始まり、東京の場合0.2円追加値上げとなる。
今後の新電力の動きに注目していますが、東電EP(大手電力)の料金表に合わせてくると予想します。料金表に対して3%引きとか5%引きとかね。事業撤退する会社も出てきそうですが、6月までにもう一度比較検討して、従量電灯Bから移るかどうか決めたいと思います。
画像引用元1:規制料⾦値上げ申請等の概要について(詳細版)
画像引用元2:電気料金単価表
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